ラボグロウンダイヤモンドの認知度はまだまだ低くく、日本では宝飾店にさえ知れていません。
それもそのはずです、ラボグロウンダイヤモンドの歴史はそれほど古くありませんから。
ラボグロウンダイヤモンドと言いますと、ダイヤモンドに似せた模造品を想像するかもしれませんが、それは誤解です。
ラボグロウンダイヤモンドとは本物のダイヤモンドそのものなのです。
今回は、ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドとの違いや生成された歴史などについて紹介しています。

 

ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドとの違い

ラボグロウンダイヤモンドそのものを初めて知ったという人のために、ラボグロウンダイヤモンドとは何なのか?天然ダイヤモンドとは何が違うのかということを説明します。

なぜラボグロウンダイヤモンドと呼ばれるのか?

ラボグロウンダイヤモンドとはLabラボ(研究室)Grownグロウン(育てられた)という英語からきています。
Lab Created ラボクリエイティッド(研究室で生成された)、Man Madeマンメイド(人間がつくった)など、ほかの名前でよばれることもあります。
日本では、「合成ダイヤモンド」といわれることが多いですが、これは正確には違います。
合成とは、本来2種類以上の元素が組み合わさることを意味するからです。
ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同様に炭素のみで構成される物質です。
したがって、「合成ダイヤモンド」という言葉は、ラボグロウンダイヤモンドには適切ではありません。

ラボグロウンダイヤモンドは本物!天然ダイヤモンドとの違いは生成地のみ!

そもそもラボグロウンダイヤモンドというと、ダイヤモンドの偽物かイミテーションと考える人がいますが、それは全くの間違いです。
しかし、ラボグロウンダイヤモンドの歴史は浅く、あまり知られていないのでそう思われるのも無理もありません。
偽物、イミテーション、模造ダイヤモンドというと、モアッサナイトやキュービックジルコニアがよく出回っています。
屈折率や硬さがよく似ているので、ダイヤモンドのように見せることができるのです。
しかし、これらはあくまでもダイヤモンドとは違う物質です。
したがって、偽物やイミテーションと呼ばれるわけですが、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同じ構成をしています。
実際、化学的にも物理的にも光学的にも天然ダイヤモンドとの違いがないと証明されています。
違う点というと、ラボグロウンダイヤモンドは人間の技術によって生成されたダイヤモンドだということです。
天然ダイヤモンドは地球の土から掘り出されたダイヤモンドであるのに対し、ラボグロウンダイヤモンドは土からではなく、研究室生まれなのです。

 

天然ダイヤモンドの生成

ダイヤモンドは炭素のみで構成されていると説明しました。
炭素とは結合の仕方で、鉛筆の芯になったり、ダイヤモンドになったりするのです。
あの真っ黒い物質が、どうしてダイヤモンドの美しい輝きを発するようになるのかと不思議に感じることでしょう。
その秘密はダイヤモンドが生成される過程にあります。
ダイヤモンドは、もともと地下100キロを超える地中の深いところで生成される物質です。
地中深くにはマグマがあるので、かなり熱くなっていることが想像できます。
また、深くなればなるほど高い圧力がかかります。
その2つがダイヤモンドの生成に大きく関係しているのです。
ダイヤモンドが結成されても、地上に押し上げられなければ、人間によって掘り起こされることはありません。
実際、地上に出てくるダイヤモンドはごくわずかといわれていて、地中深くには1,000兆トンにも及ぶダイヤモンドが眠っているといわれています。
ダイヤモンド採掘の歴史はかなり古いですが、残念ながら、地中に眠るダイヤモンドの発掘にはまだ成功していません。
したがって、ダイヤモンドは地上では非常に稀な高価な産物として昔から扱われているのです。

 

ラボグロウンダイヤモンドの生成

ダイヤモンドは紀元前から発見されている物質で、古くからその輝きで人間を魅了してきました。
しかし、ラボグロウンダイヤモンドの歴史はそれほど古くありません。
ラボグロウンダイヤモンドは、どのような歴史を辿ってきたのでしょう。

ラボグロウンダイヤモンドの研究の記録

ダイヤモンドは紀元前から人間を魅了した歴史が残っていますが、ラボグロウンダイヤモンドの歴史は18世紀ごろからです。
ダイヤモンドが炭素のみで構成されていることが発見されたことによって、多くの研究者が人間の手でダイヤモンドをつくり出すことを試みるようになりました。
19世紀の終わりには、ハネイ氏やモイッサン氏がダイヤモンドを生成することに成功したことを発表しています。
その後も彼らの生成法を用いて研究が続けられましたが、結局生成された物質はダイヤモンドではなく、スピネルという酸化鉱物の一種ではないかと、ほかの研究者によって推測されています。
その推測をしたのはパーソンズ氏で、自分自身もダイヤモンドを生成したと発表しましたが、後に自分を含めてすべてスピネルだったという論文を発表しています。

ラボグロウンダイヤモンドを生成することに成功

その後、General Electronic(GE)社が先導してダイヤモンドの生成方法について研究を続けて、ラボグロウンダイヤモンドの生成に貢献しています。
1971年にはHPHT(High Pressure High Temperature)高圧高熱法によって、ダイヤモンドを生成することに成功しました。
HPHT法では、地中の深いところでダイヤモンドが形成されるのと同じ環境を装置によりつくり出しています。
当時の装置で、1週間で1カラット5ミリメートルの大きさのダイヤモンドが生成されたといいます。
しかし、製作過程で窒素が含まれてしまうために、黄色から茶褐色になりやすかったともいわれています。
アルミニウムやチタンを加えることで無色透明にはなるものの、ダイヤモンドを生成する時間が遅くなったり、質が落ちたりするという問題点が残りました。
窒素の含有については天然ダイヤモンドも同じで、発掘されるダイヤモンドのほとんどは黄色か茶褐色であることが多く、無色透明ほど価値が高くなります。

ラボグロウンダイヤモンドの今

世界で初めてラボグロウンダイヤモンドの生成の成功を発表したのはGE社ですが、スウェーデンのASEA社はGE社よりも数年前に成功していたという発表を後に行っています。
一方、旧ソ連でも研究が進められていました。
もうひとつの手法である、Chemical Vapour Deposition(CVD)化学気相蒸着法を開発したのは旧ソ連です。CVDとは、真空チャンバーに炭素を含むガスを入れて高熱を加えます。
ダイヤモンド種粒子に分解されたガスが結合することで、ダイヤモンドが生成されるというものです。
これらの方法でつくり出されたラボグロウンダイヤモンドは、これまで産業用に使われていました。
改良に改良を重ねて、宝石用として使用するだけの質の高いダイヤモンドが生成されるようになったのです。
ラボグロウンダイヤモンドは、自然界では稀な赤や青のダイヤモンドの生成も可能ということで注目されています。

 

ラボグロウンダイヤモンドの今後

世界中でダイヤモンドを人間の技術によって生成する方法は研究され続けています。
日本でも同様に住友電工が産業用のラボグロウンダイヤモンドの研究と生成を続けていますし、国産の宝石用のダイヤモンドもピュアダイヤモンド社が販売予定です。
ラボグロウンダイヤモンドは、今後、どのような動向を見せるのでしょう。

ラボグロウンダイヤモンドの認知度アップ

ダイヤモンド業界の世界最大手も、ラボグロウンダイヤモンドの専門ブランドを立ち上げました。
ダイヤモンド業界において、一番影響力の強い会社がラボグロウンダイヤモンドのジュエリーを取り扱うということで、その認知度は一気に世界に広まることが予想されます。
アメリカのミレニアム世代に受け入れられているように、世界でも多くの若者に受け入れられるでしょう。

ダイヤモンドが身近なジュエリーに変身?

ダイヤモンドというとブライダルのイメージが強い宝石ですが、世界最大手の企業はラボグロウンダイヤモンドをブライダルと切り離して、普段着使いができる宝石として世の中の女性を魅了するといわれます。
ダイヤモンドは価値が高く特別なものであるという現在の価値観は、天然ダイヤモンドに残しておくつもりかもしれません。
そうすることで、天然ダイヤモンドにこだわる消費者離れも防げます。
そして、安くて質の高いダイヤモンドを求める消費者の声にも応えるのです。
ラボグロウンダイヤモンド業界でも存在感を示しておきたいのでしょう。
より身近な値段でラボグロウンダイヤモンドを販売することで、より身近なジュエリーとして身につけてもらう狙いがあるのです。
赤や青といったカラフルな色のダイヤモンドを増やすことで、ファッションとしての幅も広がります。
ラボグロウンダイヤモンドの宝石としての歴史は始まったばかりです。
今後、認知度が上がり、市場は大幅に拡大するのは目に見えていますが、天然ダイヤモンドとどのように共存をしていくのか、どのようなジュエリーが登場するのか、目が離せない状況です。

 

まだまだラボグロウンダイヤモンドの歴史は始まったばかり

ダイヤモンドは紀元前から人間の心を魅了しているという記録が残されていますが、ラボグロウンダイヤモンドの歴史はまだ始まったばかりです。
人間の技術によってダイヤモンドを生成する研究はされていましたが、なかなか成功はしませんでした。
宝石としての質を満たすようになった今日、ダイヤモンドの世界最大手までもがラボグロウンダイヤモンドに力を入れ始めています。
今後、認知度は上がり、ラボグロウンダイヤモンドの市場は拡大されるでしょう。
赤や青の希少な色のダイヤモンドをつくり出せるのも、ラボグロウンダイヤモンドの特徴です。
その研究はまだ進められており、今後に期待ができます。
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